
コンサルタント&講師専門の
ビジネスプロデューサーの伊藤剛志です。
今回は、タイムマネジメントの基本となる
「振返り」をやるべき理由ややり方について解説します。
1.振返りの目的ややるべき理由
振返りをやる目的やメリットは主に以下の通りです。
- 自分の時間の使い方を把握する。
- 「価値のある時間」と「そうでない時間」を確認し、時間の使い方を改善する。
- 「上手くいっていること」を確認するとポジティブな感情になれて、やる気や集中力や創造力や行動力を高めることができる。
- 強化すること、改善することを明確にできる。
- 時間意識を持って日々仕事や生活の時間の使い方を改善していくことができる。
プロフェッショナルとして、行動品質、成果品質を高めていくために、適宜「振返り」をするのは基本行動になります。
2.振返りのやり方
2-1.時間の使い方を確認する
1日の振返りをする場合は、1日の時間の使い方を棚卸しします。
何時に、どこで、何をやったかなどの行動記録を確認します。
時間も目的や種類などに応じて、色分けして分類して把握すると「生産的な時間」か「非生産的な時間」かなど把握しやすくなります。
私の場合は、「自分のプロジェクトの仕事時間」「顧客対応の仕事時間」「プライベート」「睡眠」といったような分類で色分けしています。
分類毎に時間の使い方が見える化されて、生産的な仕事時間の少なさを認識できて、時間意識を高めようとかなりモチベートされます。
時間の棚卸しをしていない場合、この時間の棚卸しをするだけでもかなり時間がかかったりしますが、しかし、やる価値はありますので、時間のある時にぜひ実践してみて頂ければと思います。
時間の使い方を現状把握するというのは、タイムマネジメントの基本になります。
1週間の振返りをする場合は、1週間の時間の使い方を棚卸しします。
1日の振返りの7日バージョンです。
毎日の振返りで時間の使い方を確認できていれば、この作業はショートカットできます。
2-2.価値のある時間とそうでない時間を把握する
時間を分類した時に、その分類で、価値ある時間(生産性のある時間)とそうでない時間(生産性の低い時間)を把握することはできます。
更に、その分類内の時間においても「生産性の高い時間」と「そうでない時間」などを把握していきます。
生産性の高い時間(仕事)は、時間の使い方として大事なので、増やしていくべきです。
逆に生産性の低い時間(仕事)は、時間を短縮するように、効率化していく必要があります。
2-3.行動目標と行動実績を照らし合わせて確認する
行動目標としては、「ルーティンで行うべき行動(習慣)」と「スポットの行動目標」の2つの種類があります。
この2つの行動目標に対して、行動できたかどうかを実績レビューしていきます。
タイムマネジメントでは、日々の行動の基本となる「ルーティン(習慣)」を改善していくのは大事です。
また、「スポットの行動目標」を推進していくことがプロジェクト推進に繋がっていきますので、「スポットの行動目標」をどれだけ実行してプロジェクト推進できたかを確認していきます。
実績レビューする時は、行動できたかどうかに併せて、どんな成果があったかや上手くいったかどうか、上手くいった要因、今後の対策なども考察していくと、行動(体験)を経験や知恵に変えていくことができます。
2-4.「強化すること」や「改善すること」を明確にする
「上手くいっていること」を確認するとポジティブな感情が生まれて、やる気や集中力や創造力や行動力が高まっていきます。
この「上手くいっていること」は、ポジティブな感情を感じながら、強化していくと成果も出やすくなります。
また、無駄を減らしたり、改善したりすることも改善効果のインパクトがあったりしますので、「改善すること」を明確にして改善していくことも大事です。
無駄だったり非効率な習慣ややり方は、意識しないと惰性で行動してしまっているケースが多いので、どうやって改善していくか明確に意識して実行することが大事になってきます。
3.私の場合の効果
1週間の振返りを私自身がやって気づいたことなどを事例としてシェアしたいと思います。
3-1.時間把握
1週間の時間の使い方を棚卸ししてみると、以下のようなことがわかりました。
・自分のプロジェクトの仕事時間が非常に少ない。
・顧客対応の仕事時間が多い。
・プライベートな時間が多い。
・睡眠時間が平均8時間で思ったよりも多かった。
自分のプロジェクトの仕事時間が少ない原因としては、早起きできずに、午前中のゴールデンタイムの仕事時間の絶対量が不足していることと、平日の午前や午後は顧客対応の仕事時間に多くを取られてしまっていること、夜は思うように仕事できていないということなどがわかりました。
睡眠時間も結果としてたくさん寝てるわりには、睡眠の質が低いと熟睡感や起きた時のすっきり感が少ないことにも気づき、睡眠は絶対的な時間の量も大事ですが、質の大切さにも気付かされました。
睡眠の質を高めるためにも、夕食を食べ過ぎないこと、風呂に入ったりマッサージをしたり身体を休めること、1日の振返りをして思考や感情をクリアすることなどの重要性や改善点に気づくことができました。
3-2.うまくいっていることや強化すること
午前中のゴールデンタイムは、やはり生産性高く良い仕事ができることがわかりました。
自分が生産性高くパフォーマンスを出せる時間帯や場所などの要件を把握しておくことは大事だなと思いました。
読書は思考の刺激となり、アイデアを考えたりするのに効果的なのがわかりました。
3-3.改善点
仕事は納期の2日前を目標にする
顧客対応の仕事が当日直前まで追われると顧客対応の仕事が最優先事項となって、ルーティン習慣が破壊されてしまいます。
また、納期直前に仕事すると計画的に仕事できず品質も高めづらく、そのために無計画に余計に時間を使ってしまっていたりして、時間効率も悪くなっていたりします。
納期の1日もしくは2日前に納期設定して、仕事を段取り、計画的にやれば、時間効率も品質も改善していくことができます。
顧客とも事前に資料など情報共有するようにすれば、ミーティングの進め方や質も高めていくことができます。
生産性を下げる元凶は「夕食だった」
私の場合、タイムマネジメントの効率を落としている最も元凶は「夕食を食べ過ぎること」だと気づきました。
夕食をたくさん食べることでリラックスモードになって夜仕事ができなくなります。
1日の振返りもできず、翌日の行動計画を確認しないまま寝てしまうと翌日早起きできずに、ゴールデンタイムの午前中の大事な時間も減ってしまうという具合に悪循環になってしまいがちでした。
夕食を食べ過ぎることで、睡眠の質も下げてしまったりして、たくさん睡眠しても、睡眠の段取りができていないと睡眠の質も低く、タイムマネジメント(時間効率)を高める最も改善ポイントは、「夕食を摂りすぎないこと」だということがわかりました。
振返りをやることで、現状の時間の使い方や改善ポイントを明確にでき、とても価値がありました。
4.振返りの活用パターン
振返りは、色んなパターンで行うことができます。
基本的には、マネジメント範囲に合わせて、1日単位、1週間単位、1ヶ月単位などの単位で振返りをやります。
4-1.1日のレビュー
1日単位で振返りをして、行動レビューするのは非常におすすめです。
色んな本などでも多くの人がおすすめもしているかと思います。
夜に1日を振返り、上手くいってること、楽しかったことなどを確認すればポジティブな気持ちで眠ることができます。
また、1日の振返りで、強化すること、改善することなども頭に意識しておくことで、睡眠中に潜在意識が働き、良いアイデアが生まれやすくなったりします。
4-2.1週間のレビュー
1週間というのもマネジメントの基本単位になってきます。
1週間毎に振返りをやるのが、振返りの基本トレーニングとしてやりやすくておすすめです。
1週間単位で、「自分のルーティン(目標)に対してどれだけ実践できたか」や「スポットの行動目標をどれだけできたか」などを振返ると、1週間の成果や改善点を整理できます。
4-3.1ヶ月のレビュー
1ヶ月というのも、ビジネスのマネジメント範囲(期間)の基本になってきます。
プロジェクトも短期の場合、1ヶ月が目安になります。
1ヶ月のプロジェクト目標や行動目標に対して、行動や成果をレビューします。
プロジェクトもやったらやりっぱなしで、振返りをしないケースが多くあります。
プロジェクトレビュー(振返り)をやらなければ、経験を知恵(ナレッジ)に変えられず、大変もったいないことです。
プロジェクトも全体で成果は出せなくても、プロセスでうまくいっている部分とそうでない部分とに分けて、強化することと改善点を明確にしていくことで、次のプロジェクトの成功に繋げていきやすくなります。
関係者で一緒にプロジェクトレビュー(振返り)をやり、うまくいったことや改善点を共有することで、行動(体験)を経験や知恵(ナレッジ)に変えて、生産性向上に繋げていくことができ、関係者が皆で成長に繋げていくことができます。
プロジェクトレビュー(振返り)する時に、データファイルや紙の資料等も併せて整理したりすることで、物理的にも精神的にも断捨離して、クリアにして、次の新しい挑戦に進むことができるようになります。
5.まとめ:「振返り」の習慣は成功の土台
プロフェッショナルは、仕事の品質や成果を高めるために、振返りは必須です。
一流のプロフェッショナルは、「振返り」の習慣を大事にして、実践しています。
大事な成長段階、プロジェクトの時期などは、1日単位で振返りをして、それを関係者と共有したりしています。
こまめに振返りをやり、プロセスを共有していくことで、ファン創り、仲間創りなどにも有効です。
自分自身がプロジェクト(仕事)に本気で正しく向き合うという点でも、「振返り」は非常に重要です。
「振返り」は、プロジェクトを成功させていくプロジェクトマネジメントにおいても基本行動といえます。
伊藤剛志